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火山災害を考えよう

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年3月1日更新 <外部リンク>

災害に備えよう!災害を考えよう! R04年3月号

 志免町が位置する福岡市都市圏は、火山による災害の心配が少ない地域になっています。噴火とマグマ
しかし、九州地方は、阿蘇山や桜島、霧島の新燃岳をはじめとして活発な活動をする火山が点在する大地です。
旅行や行楽に向かう山が火山であったり、温泉施設の近くに火山がある地域もあります。火山による災害が、起きた場合に備えて対応を考えておきましょう。

火山災害を考えよう

降灰 火山噴火による災害には、噴火や水蒸気爆発による空振(※)、噴石噴煙、火砕流など、直接被害をもたらすものと、降灰による火山灰に含まれる極小のガラス質を吸い込むことによる人体への影響、火山灰の堆積によるインフラの崩壊など大規模な噴火活動は、社会・経済に大きな影響を及ぼします。
 直接的な被害として記憶にあるのは、2014年に発生した御嶽山の噴火です。前日まで気象庁の噴火警戒レベル1(平常)だった御嶽山が噴火したため、晴天の土曜日で登山を楽しんでいた人たち100名以上に死傷者が出た大変痛ましい災害でした。
この災害を教訓として、「活動火山対策特別措置法」が一部改正され火山研究機関の連携強化や火山専門家の育成・確保に加えて、自治体や登山者等の努力義務のルールが追加されました。
その第11条第2項で、「登山者等は、その立ち入ろうとする火山の爆発のおそれに関する情報の収集、関係者との連絡手段の確保その他の火山現象の発生時における円滑かつ迅速な避難のために必要な手段を講ずるよう努めるものとする。」と定められていますので、火山の危険性や火山情報ををきちんと認識して、備えや準備をしたうえで登山する山を選んでください。
 火山の近くに行く場合、登山だけでなくドライブや旅行であってもスマートフォンなどの情報端末を利用して火山情報を常に受信できる状況にし、災害に対応できる備えを持って行動をしてください。

 火山の噴火によるインフラへの被害は、先にあげた噴石や火砕流などの限定的な被害と降灰になどの広範囲にわたるものがあります。
降灰による被害は火山灰が道路に積もることで、道路が寸断される、車のエンジンの吸気フィルターの目詰まり、鉄道の線路の埋没による電車の不通、航空機は滑走路の利用不可による離着陸不能、飛行中のエンジンに火山灰が入ることによる出力の低下、船舶は港湾に軽石の漂着による利用不能、吸水口への軽石の侵入によるエンジン異常など交通インフラ全般に多大な影響が出ます。
 さらに火山灰は、交通インフラだけでなく、水道、電気、一般の生活にまで火山灰は影響を及ぼします。上水道では、水道水を作るための給水口に火山灰が詰まること、発電から給電までの電気設備では、火力発電所のフィルターの目詰まり、水力発電の取水口が詰まる、風力発電用プロペラへの降灰、付着による回転力の低下、送電線、通信線への降灰付着による過重のための断線の恐れがあります。また、現代の様々な機器に搭載されているコンピューターやマイクロチップは、火山灰のような微細な粒子の付着により故障します。そのため、現代の社会の効率性と利便性の根幹にあるコンピューターが止まる世の中になる可能性があります。

 地震と火山活動の関連について、関連性を証明するまでのものは判明していませんが、大地震の後に火山活動が活発化したと思われる事象は確認されています。 これを考えると現在、地震の発生に注意を払われている南海トラフ地震は、フィリピン海プレートが九州、四国などの西日本が乗っているユーラシアプレートの下に潜り込む海溝である南海トラフが震源と考えられており、九州の火山帯に影響を与えそうです。南海トラフ地震の後は、地震災害からの復旧に取組みながらも火山噴火にも注意を払ってください。

(※ 空振「くうしん」  火山の噴火や巨大な爆発の際に生じる衝撃波<空気振動>のこと)

避難行動を考えよう

噴火 直接的な火山による災害に遭遇する可能性は、事前に調べること、しっかり準備することをすれば減っていくと考えられますが、予期せぬ災害に遭遇した際は、命を守ることを第一に行動してください。
噴火口から距離をとる、風下に逃げない、噴火した物から頭と体を守りながら逃げることなどを徹底してください。
 火山灰が降る状況に遭遇したら不要不急の外出を控え、体を火山灰にさらさせないようにしてください。
火山灰は、風に乗って流れるほど軽いものですが、マグマが固まってできたのでですので、微細なものでも表面にトゲ状の突起があり、肺やのど、目などに入ると表面を傷つけてしまいます。また大変小さなものですので精密機器の故障の原因になったりします。窓を閉めて火山灰が室内に入らないようにしましょう、また降灰中に外出した場合は、家に入る前にできるだけ火山灰を落とし、室内に火山灰が入らない努力をしましょう。
 大規模な噴火が起こってからでは、選択できる行動は限られてしまいます。噴火の予測や注意情報が出された場合は、TVやインターネットなどを利用して常に最新の情報を得られる状態にしてください。

※ 気象庁火山情報HP https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#5/34.507/137/&contents=volcano<外部リンク>