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志免町子どもの権利救済委員だより

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年8月17日更新 <外部リンク>

 子どもの権利救済委員だより

志免町子どもの権利救済委員

調 優子(特定非営利活動法人 九州大学こころとそだちの相談室 臨床心理士)

『発達障害』という言葉は、マスメディア等を通して、最近よく耳にするようになりました。言葉自体は浸透してきたように感じますが、実際どんなものか、皆さんご存知ですか?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のでこぼこ、偏りによる障害です。現在のところ、大きく分けて三つのタイプに分類されています。一つは、主に言葉以外のコミュニケーションに困難があり、こだわりも持ちやすい、自閉症スペクトラム。また、気が散りやすかったり衝動的なところも目立ちやすいADHD、そして、知的に遅れはないのにどこか特定の行動が極端に苦手な学習障害。単独のこともあれば、これらを併せ持つこともありますし、程度や症状は一人ひとり異なります。その苦手さから社会での適応に困難さが目立つとき、障害という診断に至ります。

先日の新幹線の死傷事件では、加害者が、自閉症スペクトラムという診断を受けていたことが報じられ、偏見を生むのではないか、と当事者やそのご家族に、不安が広がりました。障害自体は危険なものではありません。ただ、周囲から誤解されやすいために孤独になりやすく、それが本人の情緒的な発達に多大な影響を及ぼすことがあります。周囲の正しい理解と支援こそ、健康な力を伸ばすのに不可欠であることをぜひ、知っていてください。