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業務システム再構築事業

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月26日更新 <外部リンク>

事業の背景

近年、地方公共団体が抱える地域社会における問題は、環境、少子高齢化、地方分権等、多様な分野を含んでおり、地域の特性を生かした質の高いサービスが要求されるようになってきています。
一方で政府は、電子自治体の効率的な普及と地域住民の利便性向上に向けて、新たな情報化事業を推進しているところであり、平成19年3月に総務省が取りまとめた「新電子自治体推進指針」では、今後の重点的な取組事項である「行政の簡素化・効率化」の中で、「既存の情報システムの運営経費縮減、効率的・効果的な情報システムへの見直し、刷新を行う」ことを目標にしており、「地方公共団体に期待される取組」の一つとして、「地域情報プラットフォームの活用」を挙げています。さらに、「ASP」・「SaaS」といったICTを活用した新しいサービスモデルが急速に進展しているなど、技術面での新しい動きも生じつつあります。

 総務省IT戦略<外部リンク>(総務省のホームページより引用)

急速な情報通信技術の進展を背景に、基盤整備等が確実に進展する一方、必ずしも住民などが利便性やサービス向上を実感できていない状況にあり、利用者の満足度の向上や簡素で効率的な行政運営の実現が大きな課題となっています。こうした中、今後、これらの課題や動向に早急かつ適切に取り組み、より便利で効率的な電子自治体を具体的に成果として実現していくことが求められていると考えていました。
現在、地方自治体においては、財源見直しや不況による税収の減少などにより、財政状況は厳しく不安定な状況にあるにもかかわらず、多種・多様化する住民ニーズへの対応はもとより、個人情報保護といったセキュリティの確保等についても適切に対応していく必要があり、限られた財源をいかに有効に活用していくかが課題となっていました。

事業の目的

このような状況の中、3町では、情報システム分野におけるコスト削減策として、共同利用や共同アウトソーシングなどが有効な手段と考えていました。
本事業では、共有・共同が可能なものは集約し、パッケージを基本に業務の標準化を行うことにより全体の最適化を図ることでトータルコストの削減を目的としました。

具体的な目標

コストの削減

1)共有・共同が可能なものは集約し、構成を簡素化し、調達・運用コストの削減を図る。
2)パッケージを基本にし、カスタマイズを行わないことで、開発・運用コストの削減を図る。
3)データベースの統合及び整備により、不整合データの解消やデータ重複管理を最小化することで、重複投資等を防止する。
4)業務改革・事務改革により、適正な人材配置と組織再編成を行うことにより、コストの削減を図る。

業務の効率化

1)業務改革・事務改善により、合理的かつ効率的な業務フローを実現する。
2)データを最大限活用することで、組織の迅速な意思決定を実現する。
3) これまで手作業で処理していた事務について、できる限りシステム化し、処理時間短縮、情報の共有、ペーパレス化を図る。
4)一人一台パソコンを利用した発生源入力と一括処理機能の充実を図り、担当職員の業務スケジュールに柔軟に対応できるシステム運用を実現する。
5)データベースの統合及び整備により、類似データの重複管理排除や不整合データを解消し、チェック作業の省力化を図る。
6)システム運用の効率化・可視化を図る。

住民サービスの向上

新たな広域サービスを実現する。

事業の経過

糟屋6町の任意合併協議会による合併解消を機に、平成20年2月頃からそれまで進めてきた協議の延長で、せめて電算業務に絞ってでも共同化できないかということで、6町により協議をしてきました。
そのうち、更改スケジュールが一致している志免町、宇美町及び須恵町の3町により、平成20年9月から住民記録や税、福祉や水道といった基幹系システム及び人事給与や財務会計といった内部情報系システムを共同化することによる成果やその実現可能性についての検討を開始し、下記のスケジュールにより事業を推進してきました。
平成20年11月25日 志免町、宇美町及び須恵町の3町による共同化の実現可能性を検討するため、RFI(情報提供の依頼)を実施
平成21年3月3日 RFIの結果をもとに、共同化の効果やその実現可能性を検討した結果、共同化を行うことを確認し、3町による基本協定を締結
平成21年4月1日 プロポーザル方式により委託事業者を公募
平成21年5月8日 第1次審査を実施
平成21年5月14日から28日 第2次審査を実施
平成21年6月12日 総合評価方式により委託事業者を選定
平成21年7月16日 事業推進のための3町連絡調整会議を設置
平成22年8月1日 データセンター稼動
平成22年10月1日 (一部業務を除き)全業務システム稼動

事業の成果

共有・共同が可能なものは集約し、パッケージを基本としたおかげで、3町での共同構築により、運用を含めたトータルコストを約40%削減することができました。
コストを削減できたことにより、単独では導入することができなかったシステムの導入が今回可能となり、業務を効率化できた上に、それにより今まで以上に業務ノウハウを共有することもできました。

業務一覧表(対象業務一覧表)

本事業においては、データセンターにて安定して稼動させることが可能となった上に、それにより人件費や電気代といった運用コストを含めたトータルコストの削減にもつながったと考えています。

 構成図(構成図)

また、共同化に伴い、システムの設定により吸収できたものもありますが、本事業においては、業務を標準化・共通化させる必要があったため、それにより業務を見直すきっかけともなりました。見直したおかげで、システム及び業務フローが共通化され、お互いに業務ノウハウを共有できただけでなく、補完しあうことも可能となりました。

 組織図(組織図)

今後、この体制により継続的に業務改善を行っていきたいと考えており、その仕組みができたことが、本事業における一番の成果ではないかとも考えています。

今後の課題

3町での共同構築により、運用を含めたトータルコストの削減は実現できましたが、そのコスト負担は決して小さくはないので、共同利用の負担を少しでも軽減するためにも、さらなる自治体の参加推進を図ることが必要であると考えています。
また、後からの参加の場合でも、単独導入に比べて負担を軽減することができる上に、統一した運用により業務の標準化ができるだけでなく、お互いの業務ノウハウを共有し、今まで単独で検討していたものが、共同で検討することが可能となり、業務の効率化を図ることが可能であると考えています。機器や用紙などの共同利用・共同発注によっても、さらなるトータルコストの削減を図っていきます。
さらには、システムの共同化と業務の標準化により、住民サービスの向上に向けた共同でのさまざまなサービス展開も検討できると考えており、その実現に向けて、さらに検討を進めていきたいと考えています。