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志免町みんなの参画条例

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年1月5日更新 <外部リンク>

 町民が主体的に町政に参画する権利や機会を保障し、町民と行政とが対等な立場に立って協働のまちづくりを進めることを基本理念として町民の行政への参画を推進するため、平成22年度から志免町住民参画条例が検討されました。

 ワークショップや各種会議、パブリック・コメントなどを経て、平成23年12月議会で可決され、12月14日に公布されました。この条例は、平成24年4月1日から施行されます。

条例制定の背景

 地方分権が進む今日、志免町においてもこれまで以上に透明性・公平性の高い行政運営、多様化する住民ニーズへの対応や説明責任が求められています。こうした中、町の基本的な考え方や方針に対する「住民の参画」を推進するためのルールづくりが必要とされています。

 この条例では、「町民と行政がみんなで一体となって、「ひと」が主役として参画する町づくりを進め」(前文)、「町民が主体的に町政に参画する権利及び機会を保障し、町民と行政とが対等な立場に立って協働のまちづくりを進めることを基本理念」(第3条)とすることを目的としています。
 主な内容としては、これまで町が行ってきた、また今後実施する住民参画に関することを一本化・明文化し、町政を行う際に様々な住民参画の手法を取ることについて、あらためて行政に義務付けたものです。条例化することにより、首長の交代だけでなく、担当者の交代の際にも、変わることのない住民参画が行われることとなります。

これまでの流れ

 志免町では、平成22年度から、町民を中心としたワークショップを10回に渡り開催、職員によるプロジェクトチームや条例策定委員会と並行しながら、条例の策定を行ってきました。
 ワークショップの中では、条文を読みやすいものにしたいという意見が多く出され、できる限り分かりやすい表現を心がけました。また、条例の名称についても、「みんなの参画条例」という、他の条例にはあまり見かけない、柔らかい名称となりました。

条例の概要

 条例には、解説文(逐条解説)を作成しました。条例に関する詳細等については、規則で定めることとしています。

■全文のダウンロードはこちら→志免町みんなの参画条例 [PDFファイル/363KB]

志免町みんなの参画条例

【解説】
 町民と行政が一緒に議論を積み重ねて作り上げてきたこと、そして町民と行政がみんなで一体となってまちづくりを進め、育てていく条例であるという思いを名称に込めています。

(前文)
私たちは、すべての人にやさしく、心豊かに、一人ひとりが輝き、誰もが愛着を持って「住んでよかった」「住み続けたい」と思える、そんな志免町であってほしいと願っています。
しかしながら、私たちの価値観や生活様式は複雑かつ多様であり、社会情勢の変化に伴いさまざまな課題が現れてきています。こうした課題の解決に向かって、私たち一人ひとりが元気に、進んで町政に参加し、ふるさととして親しみを持てるまちづくりを、志(こころ)を結び合わせて、共に進めることが大切です。
志免町の資源は「ひと」です。私たち町民と行政がみんなで一体となって、「ひと」が主役として参画するまちづくりを進めるために、情報や意見が共有される仕組みとしてこの条例を制定します。

【解説】
 この条例を制定するにあたっての背景や住民参画の基本的な考え方を述べています。
 「志免町住民参画条例ワークショップ」で議論を重ねた志免町の協働の姿をもとに、「第5次志免町総合計画」に示される協働のまちづくりの考え方との整合を図っています。

・「私たち」とは、町民や行政など志免町に関わるすべての人や団体を意味します。「私たち」がまちづくりに積極的に関わり、まちへの愛着を育み、誰もが「住んでよかった」「住み続けたい」と思えるまちを目指すことを述べています。
・誰もが「住んでよかった」「住み続けたい」と思えるまちの実現のためには、町民一人ひとりが持つ知恵や技術、経験などを活かして、町民と行政との信頼関係のもとに、こころを一つにしたまちづくりが求められています。
・「志(こころ)」とは、志免町の「志」と、「こころざし」をあわせて読んだ、町独自の言葉です。
・まちづくりを進めていく原動力である「ひと」、すなわち町民と行政がお互いの情報や意見を共有し、みんなで一体となってまちづくりを進めていく仕組みとして条例を制定します。


(目的)
第1条 この条例は、町民と行政とが情報を共有し、住民参画に関する基本的な事項を定めることにより、町民の行政への参画を推進することを目的とします。

【解説】
 何のためにこの条例を制定するのか、その目的を述べています。

(定義)
第2条 この条例において、「町民」とは、次に掲げるものをいいます。
(1)町内に住所を有する者
(2)町内の事務所、事業所等に勤務する者
(3)町内の学校に在学する者 
(4)町内に事務所、事業所等を有する個人または法人その他の団体
2 この条例において「行政」とは、町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び公営企業管理者をいいます。
3 この条例において「町政」とは、町民の福祉の増進を図ることを基本として、行政がその事務を処理するために実施する政策、施策及び事務事業をいいます。
4 この条例において「住民参画」とは、町政の立案、実施及び評価の各段階において町民が意見を述べ、または提案することをいいます。
5 この条例において「協働」とは、同じ目的のために、対等の立場で協力して共に働くことをいいます。

【解説】
 この条例の中で使われている基本的な用語について、その語句の意味を説明しています。

・「町民」とは、広く意見を取り入れ、まちづくりに活かすことができるように、志免町に住所を有する人だけでなく、町内で働く人など、志免町に関わりを持つ人々としています。
・「政策」は、町が目指すべきまちづくりの目的や方向性を示すものです。「施策」は、政策を実現するための方策をいいます。「事務事業」は、施策の目的を達成するための具体的な方法・手段をいいます。
・「協働」とは、同じ目的のために町民と行政が対等な立場で協力してまちづくりを行っていくことをいいます。

(基本理念)
第3条 住民参画は、町民が主体的に町政に参画する権利及び機会を保障し、町民と行政とが対等な立場に立って協働のまちづくりを進めることを基本理念として行うものとします。

【解説】
 町民と行政がこの条例を運用していく際の基本となる考え方を述べています。

・町民と行政がお互いを信頼し、対等な立場に立って協働のまちづくりを進めることを目指しています。
・住民参画は、他の人から強制されることなく自主性に基づいて行うものです。行政は、町民の誰もが町政に参画することができるように、参画する機会を確保することを定めています。

(町民の役割)
第4条 町民は、自らがまちをつくるという意識と自覚をもって、町政に関心を持つよう努めます。
2 町民は、互いに挨拶するなどコミュニケーションをとり、地域とのつながりを持つよう努めます。
3 町民は、地域活動に関心を持ち、積極的に参加するよう努めます。
4 町民は、公共の利益を考え、自分たちでできることを、責任を持って行い、住民参画するように努めます。

【解説】
 住民参画を進める上での町民の基本的な役割を述べています。

・隣近所とのあいさつや声かけなどのコミュニケーションを通して、地域のつながりを形成していくことが重要だと考えています。
・地域活動に関心を持ち、さらに積極的に参加していくことは、地域とつながり、まちづくりを進めることになります。
・特定の個人や団体のためだけではなく、次の世代までのことを考えて、自分たちでできることは自分たちで行い、自らの行動と発言に責任をもって参画していくことが望まれます。

(行政の役割)
第5条 行政職員は、町民とコミュニケーションをとり、親しみやすい職員となります。
2 行政は、町政の公平・公正な運営を行うため、部署間での連携を図り、情報を共有します。
3 行政は、町民へわかりやすく情報を発信し、説明責任を果たします。
4 行政は、積極的に住民参画の機会と住民参画しやすい環境を設けます。

【解説】
 住民参画を進める上での行政の基本的な役割を述べています。

・行政職員は、町民と行政との距離を近づけるためにも、積極的にコミュニケーションのとれる、親しみやすい職員となるよう心がけます。
・町民と一緒になって協働のまちづくりを進めていくためには、まず行政内部が連携し、情報を共有した上で、公平、公正な行政運営に取り組まなければなりません。
・さまざまな方法によってわかりやすく町民へ情報を提供し、説明責任を果たすことで、情報を共有しなければなりません。
・計画や条例づくりなどの行政活動に対して、さまざまな住民参画の機会を積極的に設けます。住民参画の対象や方法などは、第6条以降で述べます。

(住民参画の対象)
第6条 住民参画手続の対象となる事項は、次の各号に掲げるものとします。
(1)総合計画等、町の基本的政策を定める計画等の策定または変更
(2)個別行政分野における施策の基本方針その他の基本的な事項を定める計画等の策定または変更
(3)町の基本的な方向性等を定める憲章、宣言等の策定または変更
(4)町政に関する基本方針を定める条例の制定、改正または廃止
(5)町民に義務を課し、町民の権利を制限することを内容とする条例等の制定、改正または廃止
(6)大規模な町の施設の設置に係る計画等の策定または変更
(7)前各号に掲げるもののほか、町民の生活に重大な影響を及ぼす制度等の導入、改正または廃止
2 行政は、前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するものは、住民参画の対象としないことができます。
(1)軽易なもの
(2)緊急に行わなければならないもの
(3)法令の規定により実施の基準が定められており、その基準に基づいて行うもの
(4)行政の内部事務処理に関するもの
(5)税の賦課徴収その他金銭の徴収に関するもの
3 行政は、前項の規定により住民参画の対象としないものとしたことについて、これを公表するものとします。

【解説】
 住民参画の対象について定めています。また、特段の理由がある場合や、住民参画にそぐわない場合についても明記しています。

◇住民参画の対象とするもの
・まちづくりの長期的な基本方向を定める「志免町総合計画」をはじめ、「志免町都市計画マスタープラン」などの個別行政分野の計画を対象とします。
・町の基本的な考え方を示す憲章や宣言、条例に基づく町政を展開していくためには、町民、行政、議会が共通の目標や認識を持つことが条件となります。「非核平和志免町宣言」、「志免町情報公開条例」や「志免町みんなの参画条例」などの、町政を推進する上で共通する基本的な考え方や制度を示した条例、「志免町子どもの権利条例」などの個別行政分野における基本的な考え方や施策的な方向性を示した条例を対象とします。
・町民の権利や義務に関わり、生活に重大な影響を及ぼす条例の制定や運用などには、町民の理解が不可欠です。法令に特別の定めがある場合を除いて、許認可や規制、罰則などの規定を設ける条例を対象とします。
・大規模な町の施設の設置にあたっては、限られた財源を有効に活用し、町民のニーズに応じた利用しやすい施設としていかなければなりません。学校、公園、公民館、保育園など、その設置の目的が町全域に関わり、不特定多数の町民の皆さんが等しく利用することができる大規模施設を対象とします。
・その他、町民に労力や負担を求めることになる制度などについても、住民参画の対象としています。
◇住民参画の対象としないもの
・条例に引用している関係法令の改正、用語や表現の変更など、政策的な判断を必要としない軽易なもの。
・災害や不慮の事態などの際、緊急、迅速に意思決定が求められる規制など。
・税法やこれに伴う政省令など、法令の規定において実施の基準が定められており、町民の意思を反映させる余地のないもの。
・行政が自らの責任と意思で決定すべき事項である職員人事や会計に関する事務処理など。
・一般的に論点も明らかで、直接、議会において審議を行うことが望ましいと考えられる町税の税率や使用料など。
・第1項のうち、第2項に該当することで住民参画の対象としなかったものについては、その理由などを公表することとしています。

(住民参画の方法)
第7条 住民参画の方法は、次のとおりとします。
(1)パブリック・コメント(行政が、基本的な政策等を策定するときに、町民からその政策等の案に対する意見や情報を広く募集する一連の手続に関する制度をいいます。)
(2)審議会等(地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項に規定する附属機関をいいます。)
(3)ワークショップ(町の政策等について、町民と行政の間、または町民同士の自由な議論により町民の意見を集約することを目的とする会合をいいます。)
(4)説明会(行政が政策等の趣旨、目的、内容等の説明を行い、その政策等について町民と行政の間、または町民同士で意見交換をすることを目的とする会合をいいます。)
(5)アンケート(行政が政策形成等に当たり、広く町民の意識を把握するために、調査項目を設定して一定期間内に町民から回答を求めることをいいます。)
(6)公聴会(政策等に対して広く町民の意見を聴くため、行政が行う会合を開催する一連の手続をいいます。)
(7)モニター制度(あらかじめ町民がモニターとして登録しておき、施策等について行政より求められた際、意見を述べ施策等に反映していく制度をいいます。)
(8)住民提案制度(総合計画等の政策を踏まえ、町民が前条第1項に規定する事項に対して提案することができる制度をいいます。)

【解説】
 住民参画をどのような方法で行うかを定めています。実施する際の手続きなどについては、改めてに定めます。

・「パブリック・コメント」とは、行政が計画などを策定する際に、その趣旨や目的、内容などを広く公表した上で、町民等からこれに対する意見を募り、その意見の概要、それに対する行政の考え方を公表する一連の手続に関する制度をいいます。
・「審議会等」とは、計画などを審議するため、法律または例規に基づき設置される、町に付属する機関をいいます。
・「ワークショップ」とは、計画などを策定する際に、町民と行政、または町民同士の自由な議論により意見を集約することを目的とする会合をいいます。
・「説明会」とは、行政が計画や事業などの趣旨、目的、内容などを説明し、町民と行政、または町民同士で意見交換をすることを目的とする会合をいいます。
・「アンケート」とは、計画などを策定する際に、広く町民の意識や意向を把握することを目的に、調査項目を設定して一定期間内に町民から回答を求めることをいいます。
・「公聴会」とは、計画などについて町民の意見を聴くため、あらかじめ町民からの意見の提出を求めて行う会合をいいます。
・「モニター制度」とは、行政が政策等について意見を求める際に、あらかじめモニター登録した町民から、アンケートやレポートなどを提出してもらう制度をいいます。
・「住民提案制度」とは、第6条第1項に規定する事項について、町民が行政に対して自発的に計画などについて提案、または行政が町民に対してこの事項についての提案を求める制度をいいます。
 行政は、提案に対して第三者等の意見を取り入れ、町の執行体制及び予算状況などを検討しながら意思決定を行い、提案の概要、それに対する考え方を示します。ただし、提案の実施については、法令の規定による議会の議決や承認などが必要となります。
 志免町では、これまでもパブリック・コメントやアンケート調査、ワークショップなど複数の方法を用いて計画の策定などを実施してきましたが、みんなの参画条例の策定を機に、町民にとって能動的であるこの住民提案制度を盛り込みました。
この制度では、町民の持つ多様な知識や経験、創造性を町政等に活かしていく町民の積極的な住民参画を目指しています。単なる陳情や要望ではなく、町全体や地域の公共の利益のために町民の知恵が結集された提案が望まれます。

(住民参画の実施)
第8条 行政は、より多くの町民の意見を反映させるため、積極的に複数の住民参画を実施するよう努めるものとします。
2 住民参画は、政策形成等のできるだけ早い時期から行うものとします。

【解説】
 住民参画を実施する際の基本的事項を定めています。

・住民参画の対象とする行政活動の性質、町民への影響、関心度を考慮し、最も効果的と思われる時期に効果的な方法によって住民参画を実施することが大切です。
・計画などを策定する際に、行政がすでに作成した文面案についての意見を求めるだけではなく、その案を検討している段階でも意見を取り入れるなど、最も適切な時期に住民参画を実施することとしています。

(住民参画推進委員会の設置)
第9条 この条例に基づく住民参画を推進するため、法第138条の4第3項の規定に基づき、志免町住民参画推進委員会(以下「推進委員会」といいます。)を設置します。
2 推進委員会は、次に掲げる事項について町長の諮問に応じ、または町長に意見を述べるために審議します。
(1)この条例の運用状況に関する事項
(2)この条例の見直しに関する事項
(3)前2号に掲げるもののほか、住民参画の推進に関する基本的な事項

【解説】
 条例の運用状況や効果などの確認を行う、志免町住民参画推進委員会(以下「推進委員会」といいます。)についての基本的な事項について定めています。

・推進委員会は、この条例に基づく住民参画を適正に運用するとともに、住民参画をより一層推進することを目的として設置するものです。推進委員会は、地方自治法第138条の4第3項に規定する附属機関として位置づけ、町長へ意見を述べることができます。
・推進委員会は、住民参画を行った結果について検証し、この条例の運用状況や効果を確認し、効果的な住民参画の進め方について審議します。
・条例の見直しについては、これまでの実績や社会情勢などを踏まえながら審議します。
・その他、住民提案制度に関する審議などを行います。
・推進委員会の組織や運営に関し必要な事項は、改めてに規則で定めます。

(住民参画の実施状況等の公表)
第10条 町長は、毎年度1回、住民参画の実施状況及び実施予定を取りまとめ、これを公表するものとします。

【解説】
 住民参画の実施状況などの公表について定めています。

・住民参画が適正に行われているかを確認できるように、住民参画の実施状況や結果などについて、毎年度1回公表します。
・住民参画を行うことを予定した際にも、その時期などを町民に示すことによって、事前に対応の準備が図れるようにします。

(条例の見直し)
第11条 町長は、社会情勢及び住民参画の状況に応じて、この条例の見直しを行うものとします。

【解説】社会情勢の変化や住民参画の状況を踏まえ、必要に応じて条例を見直すことができることを定めています。

(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。

附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年4月1日から施行します。

(経過措置)
2 この条例の施行の際、既に着手されている町政であって、時間的な制約その他正当な理由により住民参画を実施することが困難なものについては、第6条から第8条までの規定は、適用しないことができます。


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